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プロパンガスとは?都市ガスとの違いについてわかりやすく解説

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プロパンガスとは

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一般家庭が日常生活において普段、料理やシャワー等に使っているガスは「プロパンガス(LPガス)」と「都市ガス」の2種類があります。ここでは、プロパンガスについてや都市ガスとの違いについてお伝えいたします。

プロパンガスとは

プロパンガスは、「液化石油ガス:Liquefied(液化) Petroleum(石油) Gas(ガス)」のうちの一つで頭文字をとって「LPG」,「LPガス」とも呼ばれています。「LPG」は炭素と水素の化合物で、プロパン(C₃H₈)とブタン(C₄H₁₀)の2種類あり、一般家庭用で多く使われているプロパンの方が皆様には馴染み深いかもしれません。プロパンガスは、日本の約95%の地域で家庭用、業務用のエネルギーとして使われています。

プロパンガスは、通常は気体なのですが、圧力をかけたり冷却することで容易に液体にすることもできます。液体になる際に、体液が約1/250に縮小され、この特性をいかしてボンベに詰めて運ぶことで、エネルギーを効率的にお客様へお届けしているのです。因みに、お客様が仕様するときは、気体にして仕様しますので、コンパクトなガスボンベでも、長く使い続けられるのです。

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それから気体の状態でも、空気より重いので、ガス漏れの時などは床面などの低い所に滞留します。プロパンガスのガス漏れ警報器を部屋の低い所に設置するのはそのためです。因みに、プロパンガス自体は本来無色・無臭のため、ガス漏れ時にすぐ気が付くように匂いを付けてあります。「玉ねぎの腐ったような匂い」とも言われておりますが、そんな匂いに気付いた時は、ご注意ください。

プロパンガスの優れている点は、他にもあります。地球温暖化の原因となるCO₂排出量が、石炭に比べずっと少なく、燃やしても窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)の排出もほとんどありません。オゾン層破壊の心配がないのも利点の一つです。
もう一つ、災害に強いとされており、東日本大震災では、地震発生後3週間程度で大方復旧が完了し、都市ガス、電力よりも早い時期に復旧をはたしています。分散型エネルギーの特性を生かした大きな強みでもあります。

プロパンガスと都市ガスの違い

① 名称:プロパンガスは(液化石油ガス: Liquefied Petroleum Gas)、都市ガスは(液化天然ガス: Liquefied Natural Gas)と呼ばれていす。両方とも海外からの輸入が大半を占めます。

② 成分:プロパンガスは、プロパンを主成分に持つ液化石油ガスであり、都市ガスはメタンを主成分とする天然ガスが主な原料です。成分の化学式は、プロパン(C₃H₈)、メタン(CH₄)となります。

③ 供給方法:プロパンガスは、海外から液化石油ガスとして輸入された後に、国内の1次・2次基地への移動を経て、充填所へ送られます。そこで、ガスボンベに詰め込まれて、配送センターから契約している一般家庭などに運ばれます。

    
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都市ガスは、海外から液化天然ガスとして輸入された後、気化、減圧されてハスホルダーと呼ばれる巨大な丸いタンクに詰め込まれます。そこから契約している一般家庭などに地中に埋まっている導管を通じて供給されています。

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④ 熱量:プロパンガスの熱量24,000kcal/m³に対して、都市ガスは17,500kcal/m³と、持っているエネルギーはプロパンガスの方が2倍です。

⑤ 特性:プロパンガスはマイナス42度で液化し体積が1/250と小さくなるのに対して、都市ガスはマイナス162度で液化して体積が1/600になる。重さは【プロパンガス>空気>都市ガス】となり、プロパンガスは低い所に溜まりやすく、都市ガスは空中に放散されやすいです。

プロパンガスのメリット

【発熱量の違い】
都市ガスとプロパンガスの発熱量を比べてみると、プロパンガス:24,000kcal/㎥、都市ガス:11,000kcal/㎥とプロパンガスが約2倍の発熱量があることが分かります。単純に都市ガスの半分の量で同じエネルギーを発生するので、効率の良いエネルギーと言えます。

【クリーンな排気ガス】
プロパンガスは化石エネルギーですが、石油・石炭に比べて、地球温暖化の原因と言われている二酸化炭素の排出量が少ないエネルギーです。人体に有害な物質をほとんど含まず、燃焼後は少量の二酸化炭素と水になります。人や環境にやさしいエネルギーです。

【持ち運べるエネルギー】
ガスボンベに充填して使用するため、プロパンガス利用の設備があれば日本中どこでも使えます。

【災害に強い】
ご家庭などに直接設置する、ガスボンベからガスを供給しますので、地震などの災害の発生した後、戸別の安全確認が出来れば、早期に復旧が可能です。都市ガスの場合、つながっているガス導管すべての安全確認が必要なので、復旧には時間が掛かります。東日本大震災の際は、電力、都市ガスと言ったエネルギーよりも、圧倒的に早く復旧し、避難所や仮設住宅へのガス供給もプロパンガスがほとんどです。「災害に強い」と言われる理由の一つでもあります。

【初期費用】
都市ガスの場合、ガスを供給するガス導管が配管されていない場合は、工事費が数十万円となることが多く、ガス器具等の設置費用も含めて初期費用の負担が小さくないです。プロパンガスの場合は、初期費用が掛からない場合も多く、集合住宅のオーナー様や戸建てのお客様にはメリットとなっております。ガスのご利用をお考えの方は、お問合せ頂ければ、ご説明させて頂きます。

プロパンガス平均使用量

ガスの使用量は、気温水温に大きく左右されるため、地域や季節でも大きく違います。下記のデータは全国平均となります。
(石油情報センター)プロパンガス消費実態調査と(日本LPガス協会)日本のLPガス統計2019のデータから算出した世帯別のデータとなります。

世帯人数 一ヶ月分平均使用量*
1人 3.80㎥
2人 5.27㎥
3人 7.21㎥
4人 9.16㎥
5人 9.48㎥
6人 9.73㎥
7人 9.57㎥

※2018年から2019年のデータ

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