プロが解説!ガス給湯器の寿命を長持ちさせるコツとは? | 最新情報 | 金森藤平商事株式会社

コラム プロが解説!ガス給湯器の寿命を長持ちさせるコツとは?

ガス給湯器の寿命は一般的に10年~15年と言われています。ですが、10年未満で壊れてしまったり、逆に20年以上壊れなかったりというケースもあります。
それは何故でしょうか? 単純に製品の“当たり外れ”ということもありますが、実は使い方によって故障するリスクを抑え、長持ちさせることができる方法があります。

また、ここでご紹介するポイントの多くは、水道光熱費を節約することにも役立ちます。

いざ故障して買い替えるとなると、追い炊き付きの給湯器なら通常20万~40万円の費用がかかります。本記事の裏ワザのほとんどは、誰でも簡単に今日から実践できます。是非覚えておきましょう。

ガス給湯器を長持ちさせるには? 覚えて得する!8つのポイント

1.水で済む時はお湯を出さない

お湯を出そうとするとガス給湯器内部の各部品が作動しガスが点火します。実は、この一連の作動回数がガス給湯器の寿命に大きく影響してきます。頻繁にガス給湯器を作動させると、基板やモーター類や安全装置の劣化・摩耗が進み、故障しやすくなります。

例えば、キッチンや洗面台のシングルレバー水栓をいつもお湯側の方にしていませんか?また、少し水を出すだけなのに、ついお湯を出してしまっていませんか? 当然、ガスの消費量も増えてガス代が高くなってしまいますので、水で済むようであればお湯は出さない(給湯器を点火させない)ようにしましょう。

2.お湯を出している時に温度を変えない

その理由は、ガスをなるべく完全燃焼させることで故障を防ぐためです。

お湯を出している時は、当然ガスが燃焼しています。ガスが完全燃焼されていれば問題ありませんが、不完全燃焼の状態になるとカーボン(スス)が出ます。このカーボンが給湯器内部の熱交換器(水をお湯に熱交換させる銅等でできた部品)やバーナー、排気口に少しずつ溜まっていき、目詰まりを起こすと煙が出て故障します
お湯を出している時に温度を変えると、一瞬ですが不完全燃焼の状態となりカーボンが出ます。それがわずかであっても、1日に10回であれば年間で3,650回も繰り返されるので、次第にカーボンが蓄積されてしまうのです。

給湯温度を変える際は、極力お湯を止めてからにするようにしましょう。

3.本体の給気口や排気口をチェックする

これもガスを完全燃焼させて、故障を防ぐためのポイントです。

ガスを完全燃焼させるには、十分な空気(酸素)と適切な排気が不可欠です。給気口や排気口が塞がっていたり前述のカーボンが排気口に付着していないかチェックしましょう。
また、植木や物が給湯器の燃焼の妨げになっていないかもチェックしてみてください。

もし改善が必要そうな時や分からないことがありましたら、ガス屋さんかメーカーに問い合わせましょう。

4.リモコンがオフの状態で給湯側の水を出さない

これは給湯器内部の結露による、金属製の部品の腐食を防ぐためのポイントです。

ガス給湯器のリモコンのスイッチを切った状態でお湯を出すと、当然お湯ではなく水が出ます。この水は給湯器の内部を通って出てくるので、湿度の高い時や気温が低い時は給湯器内部の水が通る管が結露しやすくなります

その水分が部品を腐食させる要因となって故障を招くことになるのです。ガス給湯器は精密機械ですから、水分は極力内部に取り入れないようにすることが大切です。

5.入浴剤を入れたら追い炊きをしない(追い炊き付きの場合)

これは循環パイプや、給湯器内部の配管や逆止弁等をつまらせたり腐食させたりしないようにするためのポイントです。

入浴剤を入れたお湯を追い炊きをすると、循環パイプを通って給湯器へ送られます。この時、溶け込んだ入浴剤がお湯に含まれていると、配管内に残ってしまいます。
丁度人間の血管に血栓ができ病気になるのと同じように、流れにくい、詰まった状態では故障の原因となります。

特に、混ぜても濁ったまま透明にならない入浴剤や、酸・硫黄・アルカリ等の成分を含むものは要注意です。また、2日目のお湯を追い炊きして使用する場合も汚れに注意しましょう。
なお、追い炊き配管の自動洗浄機能が付いている給湯器もありますので、買い替え時にはチェックしてみてください。

6.台風や大雨の時はできるだけ使用しない

前に述べたとおり、ガス給湯器は精密機械です。環境の悪い状態で作動させることはリスクが生じます。
台風や大雨の時は、給湯器内部に雨水が入ったり風向きによりガスの正常な燃焼の妨げになったりすることがあり、故障の原因になることが考えられます。

とは言ってもお風呂を我慢するわけにはいきませんから、これは“なるべく”使用しない方が良いというレベルでとらえてください。

7.凍結させないよう注意する

凍結もよくある故障原因の1つです。

給湯器内部が凍結すると、配管や継ぎ目や弁類等の部品などが膨張し、破裂してしまうことがあります。
それを予防するために、現在のほとんどの給湯器には「凍結予防ヒーター」が内蔵されています。外気温が約3℃以下になると、給湯器内部にある温度センサーが自動で作動し、凍結を防いでくれます。
ですから、本体の電源は絶対に抜かないようにしましょう。

また、給湯配管の凍結にも注意が必要です。保温材をしっかり巻く、水抜きを行なうなどの方法が有効です。
詳しくは、ガス屋さんかメーカーに訊いてみましょう。

8.給湯器の設置場所を見直す(可能な場合)

最後に、屋外型ガス給湯器の最適な設置場所についてご説明します。
今ある給湯器を移動させることは難しいと思いますが、新築・リフォーム・買い替えの時の参考にしていただければと思います。

具体的なポイントは以下のとおりです。

  • 据置より壁掛けにする  :地面から遠い方が水害・錆・汚れによる腐食が起こりにくい
  • 風雨が当たりにくい場所 :不完全燃焼や給湯器内部への水分流入を制限することができる
  • 直射日光を避ける    :紫外線及び熱による本体や配管の劣化・老朽化を防ぐ
  • 寒暖の差が少ない場所  :内部の結露が起こりにくい
  • 湿気のない場所     :基盤や金属部品などの腐食を抑えることができる

給湯器はいつも目にすることはないですが、いざ壊れると不便な生活を強いられるし、そもそも大変高価な家電です。すべての条件に合う設置場所は非常に難しいですが、上記のうち1つでも多くクリアできるよう設置場所を検討してみてください。
ただし、条件に合わせるため設置場所が遠くなると給湯配管が長くなってしまい、お湯になるまでの時間が長くなり水道代やガス代が高くなってしまいますので注意が必要です。

これらの注意点は、ガス屋さんなら当然知っているはずです。相談すれば丁寧に教えてくれると思いますので、気軽に問い合わせてみましょう。


いかがでしたでしょうか? これらのポイントには、今日からスグに実践できるものとそうでないものがあります。
手間や費用がかかりそうなポイントは、ガス屋さんに気軽に問い合わせしてみましょう。
きっと親身になって教えてくれることと思います。

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